チームづくりを第一とします。当面は中長期的な事業化は視野に入れず、時代や社会情勢から生まれる必然に応じて、自然とチームが組織変容されていくと考えます。先立って福祉事業所化せず、母体の核となる所属メンバー・保護者・スタッフ・役員・関係機関をひとつにしたチームの浸透性や信用性を一層高め、時代の変化に揺らぐことなく、不易な本質を見極め活動するベストチームを創り上げたいと思います。

そこで重要になるのがスタッフです。源はダイバーシティの視点からキャリアを問わず多様な人材でチームを構成していきます。個々のスタッフが多角的な視点からチームを見つめ、気づきを基に様々なアイデアを出し合い、チームの一員として潜在スキルを開花してほしいと願います。所属メンバーとスタッフが感性や潜在能力(可能性)を融合することで、アトリエを小粒で味のある「マネしない・ココしかない」チームに創造していきます。「協力する・助ける・支援する」の一般的な福祉概念を払拭し、「創り出す」というクリエイティビリティの中で新たな考察・思考・発見を楽しみ、自己を内省し、スタッフひとり一人が感性を深く鋭敏に育み合うチームを目指します。

法人内のカテゴリは運営(会計税務・コンプライアンス等)・アトリエ活動・企画展示・販売・レンタルやグッズの事業化・地域還元活動(ワークショップ)など諸所ありますが、基本的にスタッフの動きをカテゴライズせず、自由に自然な動きの中で必然に合わせ幅広く多様に潜在スキルを発揮してほしいと考えます。

チームづくりに並行して他機関との連携は必然となります。マスメディア・企業・行政・福祉機関など様々に、年間を通して諸所のオファーを受けます。その中で源の身の丈を慎重に吟味した上で厳選した企画等を実現化します。制作活動のみで閉ざすことなく、外部から頂いたご縁を起点に作品とメンバーたちが現代社会と繋がり、幾重にも繋がり合う糸でソーシャルネットワークを築いていく、これは源の重要なコンセプトです。社会で繋がる糸は1本に限らず、作品の可能性を基に生み出されたソーシャルネット(社会との繋がり)は複数あればよい、と考えます。繋がりという依存先を複数もつことは、多岐に渡り自立の力となります。この先もアートギャラリーの企画展示、行政機関への協力・連携、他機関・他団体の作品レンタル、地域でのワークショップなど、クオリティを大切にチームスタッフが実現化することで自ずと先の事業形態が見えてくる、成されていくと考えます。

この先どのような事業形態であるか、あるべきか、その問いに答えはありません。先の構想を追い求めず、今大切なこと、今補うべきことに集中します。横浜市内の福祉事業所かもしれない、絵を描くこと、ものをつくることを日々とする小さな株式事業かもしれない、または、所属メンバーの親なき後を見据えたグループホーム併設事業かもしれない。きっとそれは先立つ事業計画をもって成するものでなく、今に繋がる想いで毎日を一日一生と大切に積み重ねる先に、必然と在るべき姿に形成されていると確信します。

「何ものにも決めない」だからその先を見たいというスタッフの楽しみや遊び心が、源をつくり続けるのだと思います。先に何が見えるのか それはわからない だからそれを見てみたい… 



理事/ファウンダー
 福家健彦